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特 集
原動力は「ママ」への想い。地域の未来のために取り組むコミュニティ作り
福島県に生まれ、県外での就職なども経験しながら、故郷福島へUターンし、現在は田村市の株式会社Shiftにて企画営業などの業務に携わる二瓶幸さん。二瓶さんはこの春から福島発のローカルメディアとして「fureru」を立ち上げ、その編集長としての活動をスタートさせます。「fureru」を立ち上げることになったその経緯、そしてそこに携わる二瓶さんの想い、福島の将来について考えていることなどについてお話を伺いました。
#ローカルメディアで、福島の魅力を発信したい
ローカルメディア「fureru」について簡単に概要を教えてください。
「fureru」は、子供に寄り添った、子を持つ親をサポートした視点で立ち上げた福島のローカルメディアです。ターゲットは福島県内の子育て世代の親御さんとその子供たち。世の中にはママのための子育てサイトなどが複数ありますが、福島に特化したものはまだあまりない。「fureru」ではローカルメディアだからできる、地域とつながるコミュニティづくりをしていきたいと考えています。
具体的にはどんな情報発信を考えていますか。
「fureru」には大きく3つの柱があります。一つ目は「情報に触れる」、二つ目は「体験に触れる」。そして三つ目が「学びに触れる」。子育て中の親御さん向けに教育や育児、地域資源に関する実用的な情報提供をするほか、福島ならではの自然や文化を生かした体験、そして親向けのセミナーや、子ども向けの体験型プログラムなど親子の学びを提供できるようなWEBメディアを目指しています。
「fureru」の立ち上げの経緯を教えてください。
私自身、2人の子供を育てる親ですが、親としての願いは何だろうと考えたときに、福島で生まれ育つ子供たちが、豊かにすくすくと成長して、ふるさとである福島を好きになってくれることが、親としての私の願いだと思いました。そしてそういう子供たちが地域に増えていくことは、地域の幸せに結びつくとも考えています。
ローカルメディアであれば細やかな情報発信やコミュニティづくりで、福島の子育てを支援しながら、ふくしまを支える次世代のリーダーを育て、地域全体の活性化が叶うのではないかと思い、その想いが形となって、「fureru」を立ち上げることとなりました。
「fureru」の由来は「触れる」から来ています。「学びに触れる」「体験に触れる」「地域に触れる」など、たくさんの「触れる」から、「家族の新たな一面に触れ」て、そこから「親子の成長に触れる」。そんな一連の流れを「fureru」で叶えていきたいと考えています。
#「ママを独りにしない」
#「ママを独りにしない」
それは子育て中の二瓶さん個人の想いも影響しているのでしょうか。
そうですね。出産や育児は100人いれば100通りのやり方やスタイルがあって、正解・不正解はないと思っていますし、育児への考え方も人それぞれです。その前提の中で、ですが、私が育児をする中で感じていたのは、ママは“孤独”を感じる瞬間が多いということ。ママは、妊娠・出産・育児の中で、自分も、自分を取り巻く環境も大きく変わります。仕事をしている、していないに関わらず、物理的に社会との距離が広がってしまう期間が一定期間あるんですよね。まるでこの世界には、自分と子供しかいないんじゃないか。そんな感覚に陥ることさえありました。
当時の私に必要だったのは、同じ環境にいる人たちで繋がれるようなコミュニティだったのではないかと今になって感じるんです。当時も地域にはそういうコミュニティもあったのかもしれないのですが、情報が集約されていなかったり、発信されていなかったりすると、そのコミュニティの存在にたどり着くことも容易ではありません。
必要な情報に気軽にたどり着けて、ママ同士が地域で繋がれるコミュニティがあったら、きっともっと福島での子育てが楽しくなるのではという、私自身の経験に基づく思いが「fureru」の立ち上げにも大きく影響していると思います。
二瓶さんご自身の体験が「fureru」の在り方にも影響しているのですね。
昔からよく言われることではありますが、「子どもは世の宝」。家族はもちろん、地域も絡めながらもっと広い範囲で子育てを支えていけたらと思っています。
「ママを独りにしない」。これは「fureru」の立ち上げ前から、私が強く意識していることです。
#子どもの成長は、親と地域が共につくる
福島で子育て中の方へのメッセージをお願いします。
福島はとにかく魅力に溢れていますよね。自然も豊かだし、ご飯もおいしいし、人も温かい。福島という地域で子育てができていることは、豊かなことだなと感じます。
一方で、私自身もそうだったように、子育て中はこれまでの生活とは異なることも多く、孤独感や閉塞感を感じる瞬間もあるかもしれません。「fureru」ではそれをポジティブに捉えていけるような情報発信を続けていきたいと思っています。「fureru」を形づくるスタッフも、実は子育て中のママが中心。ですから皆さんが今欲しいと思うような情報が必ずあるはずです。そういった情報や体験に触れながら、福島での子育ての日々が、少しでも楽しく豊かに過ごせるになったらと考えています。
「fureru」を今後どのように成長させていきたいですか?
先に少し触れましたが、「fureru」の発信メンバーは子育て中のママが中心です。これは、子育て中のママに必要なニーズを把握できるということ以外にも、ママの雇用を生み出していくというメリットもあります。妊娠・出産でキャリアが途切れてしまうことは少なくありませんが、就労意欲を抱えながら雇用とのマッチが難しく、スキルや知識豊富なママが潜在的に地域に存在していることも事実です。ゆくゆくはそういった方の活躍の場に「fureru」がなっていったらと考えています。もっともっと地域で輝けるママを増やしていきたいですね。
細やかな情報発信やコミュニティ作りは言わずもがな。子どもたちが成長する場面はたくさんありますが、たくさんの経験や人に触れたときも大きな成長のタイミングになると思っています。核家族化とも言われますが、もっと広い範囲で子育てをするのは子供たちのためにもなりますし、親御さんや地域のためにもなると思います。「fureru」では、子どもたち、親御さん、地域の人など、様々な人が繋がるきっかけづくりをしていきたいと思っています。いずれは「福島の子育てに関する情報と言ったらfureruだよね!」と言われるような、福島の子育て世代のパートナーになるような存在になれたら最高に嬉しいですね。
fureru編集長 二瓶 幸
※内容は取材当時のものです。
取材・文:國井舞